漫録

哲学教師の日々の雑感です。

歌詞

「優しすぎる嘘で涙を拭いたら、虹はもうそこにある」という歌詞に引っかかる。

嘘で涙をふくというのは、嘘も方便ということでまあいいとして、引っかかるのは、「優しすぎる」というところ。過ぎたるはなお及ばざるがごとしで、過剰な優しさは逆効果だと思うが、この歌詞では虹を見出すための条件として肯定されているようだ。優しさの最上級ぐらいのつもりで使われているのかもしれないが、優しさという徳目が過剰に評価されているような気がする。

本屋

岡崎市に唯一残ったまともな古本屋を応援するため、絶版の阿部勤也『ヨーロッパ中世の宇宙観』など数冊購入。

帰りに寄ろうとした岡崎書房のシャッター閉鎖。高校時代に初めて哲学書を買った書店だが、ついに閉店か?

銭湯

昨日は夕食後、弟と甥が大型銭湯に連れて行ってくれた。場所は、岐阜県土岐市。車で1時間弱だったが、隣の県の銭湯に行くという発想は自転車族にはない。それはともかく、天然温泉、ナノテク(?)炭酸泉もありで、大型銭湯も進化しています。

同語反復

母が先月の降雪の時に転んで足を骨折したので、家事手伝いのため帰省。

「携帯電話を持っていくので、帰省中はこちらに連絡してください」と大学の事務室で言ったところ、なぜか笑いが起こった。携帯電話を携帯するのは当たり前で、ことさらに言うほどのことではないとのことである。

手本

会議で登山。

藤村の『破戒』に出てくる退職教師の風間敬之進は、ドストエフスキーの『罪と罰』に出てくる退役官吏のマルメラードフそのまま。ネットで調べると、多くの人がそう感じている模様。「設定をパクった」と書きたくなるが、作品への敬意を表して「下敷きにした」という上品な表現を選びたいと思う。