漫録

哲学教師の日々の雑感です。

学問的メモ

マルクスは、『資本論』の価値に関する章でヘーゲル独特な表現法を使ってみたと書いている。確かに、商品から貨幣形態が成立するくだりは、まるで価値自身の自己運動を記述するようになっていて、ヘーゲル的だと思っていたが、今回、『大論理学』の「存在論」を復習して、マルクスの抽象的人間労働の理論は、ヘーゲルの量のカテゴリーの分析に似ていることに気付いた。