業務上の必要から竹内整一『日本人はなぜ「さようなら」と別れるのか』再読。以前は気にならなかった、九鬼の時間論への言及に刺激を受けた。
「浮世の恋の不思議な運命に前世で一体であった姿を想起しようとする形而上学的要求」という九鬼の押韻論からの引用が示唆的。
竹内さんによれば、輪廻のように繰り返す時間は「「現在の今」を繰り返し反復することにおいて、そこに「永遠の今」を顕現させる」。「偶然性としての出会いが重ねて反復される」のである。
反復が永遠を顕現させる仕組みが実感できないが、九鬼の時間論は偶然性論と合わせて考えてみる必要があることは間違いない。