漫録

哲学教師の日々の雑感です。

ラテン語

エリザベス・ミラン‐ザイバートの『フリードリヒ・シュレーゲルロマン主義哲学の生成』は面白かったが、しょっちゅう出て来る「in media res」という表現の文法的意味がわからない。「ただなかで」という意味で使われているのは間違いない。英語の辞書には「in medias res」という表現が載っていて、これなら、resは名詞resの複数対格形、mediasはそれに係る形容詞mediusの女性複数対格形ということでわかる。もし名詞mediumの複数対格形ということだと、名詞resとの関係がわからない。シュレーゲルの原文にあたってみると単にドイツ語で「in der Mitte」となっていて、ラテン語は使ってない。著者がラテン語を知らないだけと結論したいが、自分のラテン語力のなさを自覚する身としては、なかなか断定できない。

こんなことで、浅学菲才の時間は流れていく。